鹿児島県奄美市の名瀬港観光船バースに18日、クルーズ船「ノルウェージャン・ジュエル」(9万3502トン、バハマ船籍)が寄港した。2023年10月に続き2回目で、同港に寄港したクルーズ船の中では最大級の全長294メートル。乗客約2400人が訪れ、名瀬市街地が国際色豊かに活気づいた。
アメリカに本社を置くノルウェージャンクルーズラインの所有船。乗組員は約1000人で複数のレストランやバー、大型プール、シアターなどを備える。
今回のクルーズは10日間の日程。東京出発後、京都や沖縄、長崎などを巡り韓国・ソウルを目指す。乗客の国籍は主に欧米各国やオーストラリアなど。
午前7時に入港後、乗客約350人はオプショナルツアーに参加。バス8台とタクシー1台で奄美大島観光に繰り出した。そのほかの乗客は奄美市の名瀬市街地を散策。路線バスやタクシーを利用する人も見られたが、多くは徒歩で市街地へ向かった。
名瀬中央通りアーケードは、お土産物店などを見物する乗客たちでにぎわった。オーストラリアから訪れたジョン・コーネルさん(75)は「のどかな良い場所という印象。おがみ山にも登った。景色がきれいだった」と笑顔。キルト作りが趣味だという妻のマリーさん(同)は「手芸店で布を買った。伝統の織物についても知りたい」と大島紬小物店に足を運んでいた。
この日は県立大島高校の英語部と有志の1、2年生計21人が通訳ボランティアとして活躍。生徒らは自作した英語表記の地図を乗客に手渡しながら、流ちょうな英語で道案内や奄美のPRなどを行った。
通訳ボランティアの経験は3回目だという生徒は「慣れてきて文法が少し間違っていても通じることが分かった。いろんな国の話も聞けて楽しい。乗客から『頑張っているね』『良い取り組みだね』と声を掛けてもらいうれしかった」と手応えを語った。