徳之島でコーヒー豆の生産プロジェクトを進める伊仙町や味の素AGF(竹内秀樹代表取締役社長)など4者は2月23日、伊仙町面縄のAGF第2コーヒー実証農場でコーヒー豆収穫祭を開いた。プロジェクト関係者や地域住民ら約100人が参加し、プロジェクトで育苗・栽培したコーヒーを収穫。生産体制強化や6次産業化へ、決意を新たにした。
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プロジェクトは同社と丸紅、伊仙町、徳之島コーヒー生産者会(会員32人)の4者が協定を結び、2017年6月に始動。18年4月に同町面縄の第1実証農場で栽培が始まり、第2実証農場では20年4月に苗を定植した。現在、生産者会の会員32人は、プロジェクトで育苗した成木約1万本を島内全域で栽培している。
住民も参加する収穫祭は初開催。参加者は生産者から収穫方法の手ほどきを受けた後、赤や黄に色づいた実を手に取って収穫の喜びを共有した。
町や生産者会によると、今期は台風の影響もなく、収量は前期を上回る見込み。生産者会は今期収穫した豆を活用し、10月から島内限定でドリップパック型コーヒーを発売する計画という。
大久保明町長は「100人が参加して収穫祭を開催できたのは、徳之島コーヒーを知ってもらう上で大きな前進」とした上で「町としても物産展でのPRなど広報活動でネームバリューを高めるとともに、栽培技術指導や栽培面積拡大で金を稼ぐことができる産業を目指す」と意欲をみせた。
竹内社長は「種から育苗、定植、収穫まで、コーヒー栽培をすべて徳之島で行うサイクルができ、徳之島の産業に役立てたことがうれしい。今後も徳之島の環境に合う生産効率の高い品種を選定し、徳之島コーヒーを日本中に広げるお手伝いがしたい」と話した。
徳之島コーヒーに親しみや愛着を持ってもらおうと、収穫体験後には23年に定植したコーヒーの木に取り付ける看板づくりのほか、コーヒー豆の焙煎、抽出を体験できるワークショップがあり、外国産と徳之島産を半分ずつブレンドしたコーヒーも味わった。
生産者会の泉延吉副会長(75)は「徳之島コーヒーの商品化は産業化の第一歩。安定生産、出荷には会員増強が課題なので、今回のイベントを契機にコーヒー栽培に興味を持ってもらえれば」と語った。
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