第75回東京都高等学校新人陸上競技対校選手権大会(東京陸上競技協会など主催)が9月24日までの4日間、東京都の駒沢オリンピック公園陸上競技場などであり、オープン(参加制限なし)競技の男子300メートル障害に出場した鹿児島県奄美市出身で早稲田大4年の田中天智龍(朝日中出身)が35秒27の日本最高記録をマークした。従来の日本最高記録を0秒19秒更新。来月、地元開催のかごしま国体で成年男子400メートル障害に挑む田中は「恩返しのレースになる。勝ちたい」と意気込んでいる。
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田中は中学時代、野球部引退後に陸上競技と出合い、県内の名門鹿児島南高校へ進学。走力や技術が問われる400㍍障害で才能が開花し、インターハイ2年連続出場、U-18日本選手権3位と実績を積んだ。早大では3年時に日本インカレを制している。
本職の400㍍障害では持久力を生かし、後半に強い田中。日本最高記録を超えた300メートル障害のレースは距離が短い分、前半から勝負を仕掛けた。「賭けに近いレース展開だったが、最後まで走り切れた。かごしま国体へ向けて弾みがついた」と振り返る。
このレースでは2着の新井公貴(早大4年)も35秒37と、田中に次いで日本歴代2位となる好記録。3着の志村武(日本工大駒場高3年)も35秒46の日本歴代3位に並んだ。田中は「記録は塗り替えられるもの。一喜一憂してはいられない」と冷静に話す。
かごしま国体の成年男子400メートル障害は10月14日に予選、15日に決勝がある。田中は「めったにない地元県開催。楽しく全力で走ることを通じて、お世話になった人たちに恩返しをしたい。タイムより勝負にこだわる」と語った。
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