自然

あったか体毛で子育て 奄美市の写真家浜田さん=クロウサギの貴重映像撮影

奄美市名瀬の写真家・浜田太さん(69)は11月、奄美大島の山中で、国の特別天然記念物アマミノクロウサギが体の毛をむしり、巣穴に運び入れる珍しい行動の撮影に成功した。直後に巣穴の中で出産したとみられ、浜田さんは「体毛を敷き詰め、寒さからわが子を守るためでは」と話した。

南海日日新聞【写真】体の毛をむしるアマミノクロウサギ=11月6日午後9時すぎ、奄美大島(浜田太さん撮影、画像は一部加工)

 
浜田さんはクロウサギの子育ての様子を記録するため、山中の巣穴の近くに自動撮影カメラを設置して映像を記録した。11月6日午後8時ごろ、クロウサギは落ち葉を集めて巣穴に運ぶ行動を繰り返した。午後9時すぎから14分間にわたり、巣穴の前で全身の毛をむしり、穴の中に運んだ。

南海日日新聞【写真】毛をくわえて巣穴の中へ運んだ=11月6日午後9時すぎ、奄美大島(浜田太さん撮影、画像は一部加工)

 
その後は穴の中に入って出産したとみられ、入り口を丁寧に土で埋め固めて巣穴を後にした。12日後の11月18日には子ウサギが穴から顔を出し、母ウサギが授乳する様子を確認。浜田さんによると現在も子育てが続いており、12月中旬ごろに巣立つとみられる。

浜田さんは36年にわたってクロウサギの撮影を続け、生態を記録してきた。新たに子育てに関する貴重な映像を収め、「厳しい環境の中で、クロウサギが大切に命をつないできた様子がうかがえる。子育てする姿を伝えて、保護につなげたい」と話した。

 

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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