奄美大島では昔から島の豊かな自然を活かして、日常の道具を作ったり料理に使ったり、さまざまな工夫がされてきました。
その伝統的な手仕事の中には、残念ながら今ではもう一般的ではないものも多くあります。
そんな奄美大島で、島の自然や暮らしの中で遊びながら学ぶ場「草ラボ」があります。
島の恵みを使ったものづくりや食べられる草の発見などを通して、奄美の豊かさを分かちあいませんか?
草ラボとは?
草ラボは、奄美大島にある薬草や野草でさまざまなものづくりを楽しむ「奄美いのちの学び舎」が主催する会のこと。
薬草でオリジナルブレンドのオイルやチンキをみんなで手づくりしたり、月桃などの繊維を編んで鍋敷きやコースターを作ったり。その季節の植物を使った豊かなものづくりを行います。
いろいろな体験や発見を通して自らを育み、身近にある自然のもので暮らしを彩っていくことを趣旨としています。
ランチには、ヨモギなどのおいしく食べられる野草を使った「草粥」を作り、ご飯に合う持ち寄りの品をシェアします。
奄美の草木と遊び、先人たちの知恵に触れて、自然の味覚を味わう。
身近にあるものが鮮やかに暮らしを彩ってくれることを体感できますよ。
クバ(ビロウ)の葉でものづくりラボ!
「ラボしよう!」の一言で始まった草ラボ。
今回は、島の言葉で「クバ」と呼ばれるビロウの葉を編んで、カゴやマットなど、好きなものを作っていきます。…と言っても、教えてくれる先生がいるのではありません。
「ラボ」という名前の通り、いくつかのサンプルを前に、みんなであれこれアイデアを出し合いながら自由に編んでいきます。
まずはたくさんの大きなクバの葉を前に、どの葉っぱで作るか選ぶことから。
「小さい葉っぱの方が作りやすいかな?」
「若い葉っぱの方が茎も曲げて色々作りやすいかも!」
あれこれおしゃべりしながら自分の葉っぱを選んで、編んでいきます。
「外側から編み始めた方がいい?いや、内側の葉っぱから編んだ方が最後まで編めていいかもよ!」
みんなそれぞれに作っていき、カゴや座布団、トイレットペーパー入れなど、だんだん形ができていきます。
こちらが出来上がった作品です。個性的な作品たちが勢ぞろい!
ああでもない、こうでもないと言い合いながら、みんなで輪になって作業をしていくのがとても楽しい時間でした。
ランチの草粥は野草摘みから!
草ラボの活動場所は、奄美大島瀬戸内町の節子(せっこ)集落にあるロビンソンファーム。ここは、旧節子小中学校の施設を改装した施設です。
ランチの草粥に使う草は、校舎の敷地内や、許可をいただいている集落の方の畑などから摘み取ります。
ついつい雑草として見逃してしまうような草にも、おいしく食べられる草はたくさんあるんです。
ヨモギをはじめ、ツボクサやサシグサ、センダングサにカタバミ、バンシロウ(グアバ)の新芽や月桃の花など…。
これ食べられるかな?食べられるよ。食べてみよう!のんびりおしゃべりしながら、たくさんの種類の野草を摘み取っていきます。
できあがった草粥がこちら!
月桃の黄色い花がポイントになっていて、見た目もかわいいですよね。
月桃の花が食べられるなんて思いもせず、今回初めて食べたのですが、噛んだ瞬間に月桃の甘く爽やかな香りが口いっぱいに広がって、とてもおいしかったです。身体にやさしい草粥と、持ち寄りの品々でランチをいただきます。
お茶は、月桃とミントのハーブティ。こちらも自然のものから手づくりです。
季節のものを身体に取り入れるランチタイムは、ゆったりとした時間が流れます。
手や足で草木に触れながらものづくりができる「草ラボ」。
集落の穏やかな雰囲気の中で、奄美の恵みをじっくり体感するひとときです。
興味があれば、ぜひ活動日をチェックして、気軽に参加してみてくださいね。
主催:奄美いのちの学び舎
場所:ロビンソンファーム(節子小中学校 跡地)
鹿児島県大島郡瀬戸内町節子1319
日時:基本的に毎週木曜日の10:00~15:00
開催しない週もあるため、Facebookページからご確認ください。
参加を希望される場合は活動日の2日前までにご連絡を。