鹿児島県奄美大島の龍郷町秋名で6日、国内では珍しい迷鳥のカナダヅルの飛来が確認された。水田で羽を休めているところを写真家の山下弘さん(69)が発見し、撮影した。NPO法人奄美野鳥の会の鳥飼久裕会長は「ツルの飛来地として有名な鹿児島県出水市などで毎年数羽記録されている。奄美では初めてじゃないか」と喜んだ。
カナダヅルは北アメリカからシベリア北部で繁殖し、南方へ渡って越冬する。ツルの仲間では生息数が世界で最も多いが、日本で観察されるのはまれという。全身は青みを帯びた灰色で、目の後ろからのどにかけて白く、前頭部が正面から見てハート形に赤くなっているのが特徴。
山下さんは奄美大島5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会のパトロール員で、希少植物などの盗掘防止パトロール中に同町秋名に立ち寄り撮影した。「最初はマナヅルかと思ったが、調べるとかなり珍しい鳥と分かりびっくりした」と話していた。
秋から冬は奄美群島各地の水田や干潟などの水辺で多くの渡り鳥が観察できるという。鳥飼会長は「近付きすぎると警戒して逃げてしまう。望遠鏡や双眼鏡を使って距離を取りながら旅鳥を優しく見守ってほしい」と呼び掛けている。
『南海日日新聞』LINEニュース配信中
その他のニュースはLINEでチェック!