鹿児島県奄美市笠利町の用(よう)海岸で18日、サンゴの白化現象が確認された。礁池内の浅い海域で、枝状のコモンサンゴの群体に部分的な白化が見つかった。夏の海水温の上昇が原因とみられ、今後の白化の広がりが懸念される。
奄美市名瀬の写真家、濱田康作さん(72)が同日午後1時すぎ、潮が引いた海岸を散策中に、白化しているサンゴを発見。浜から100メートルほど離れた礁池内で、一帯のサンゴが白くなっていたという。濱田さんは「白くなったサンゴはきれいに見えるが、苦しんでいると思った。元通りに元気になってほしい」と話した。
サンゴの白化は、海水温の変化や強い日差しなど、環境の変化によるストレスで共生する褐虫藻という藻類が失われて起きる。長期化すればサンゴは栄養分を得られず死滅してしまう。
福岡管区気象台が7日に発表した8月上旬の海面水温の診断によると、平年より日射量が多く、風が弱かったため、奄美群島の東側では海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大した。今後1カ月、海面水温がかなり高い状況が続く見通し。
奄美大島でサンゴのモニタリング調査を行っている奄美海洋生物研究会(興克樹会長)によると、同島の他の海域では今年はほとんど白化が確認されていない。興会長は「全体的に持ちこたえているという印象。一気に白化することもあるので、海水温とサンゴの状況を見守っていく必要がある」と話した。
〔写真〕白化が確認された用海岸のサンゴ=18日、奄美市笠利町(濱田康作さん撮影)
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