鹿児島県は2日、いずれも奄美大島に生息するムツハアリアケガニ科のコウナガカワスナガニとヨウナシカワスナガニの2種を新たに、県の希少野生動植物に指定したと発表した。今回の指定で県指定希少野生動植物は計57種(動物20種、植物37種)となった。
県自然保護課などによると、コウナガカワスナガニは小型の種で甲は縦長。比較的塩分濃度の高い泥質干潟の水中に生息する。国内では奄美大島と西表島でのみ生息の記録がある。奄美大島では小名瀬の干潟、住用川、役勝川河口域、加計呂麻島の呑之浦に分布する。鹿児島県のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に分類されている。
ヨウナシカワスナガニは日本固有種。甲は5ミリ前後の小型種で、全体に丸みを帯びた洋ナシ型をしているのが特徴。奄美大島と沖縄島に分布し、奄美大島では住用川と役勝川河口域に生息する。鹿児島県のレッドリストでは絶滅危惧Ⅰ類。2種とも生息数が極めて少ないと考えられ、特に保護する必要があることから県の希少野生動植物に指定した。
県指定希少野生動植物を捕獲・採取などする場合は、保護に関する条例に基づき知事の許可が必要となる。違反した場合は、最高で1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性がある。
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