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「幻のアユを見つけよう!」 阿室小中=川の生き物を調査、環境保護と防災の両立学ぶ

鹿児島県奄美大島・宇検村の阿室小中学校(大屋哲校長)の生き物調査「幻のリュウキュウアユを阿室川で見つけよう!」が5月11日、阿室川であった。同校環境教育の一環で4回目。今年は、昨年6月に同村や瀬戸内町などで発生した豪雨災害を受け、防災学習と併せて実施。全校児童・生徒22人が参加し、生き物を守る環境保護と人間の生活を守る防災の両立について実践的に学んだ。

網を手に川の生き物を探す児童たち=5月11日、宇検村

 

講師は、かごしま環境未来館専門員の岩切敏彦さん(61)と鹿児島大学農学部助教で防災士の平瑞樹さん(59)。NPO法人鹿児島県NPO事業協会も協力し、環境の大切さを学ぶ体験活動「SAVE JAPANプロジェクト」の一環としても実施した。

体育館であった防災学習では平さんが、土砂災害は①地すべり②土石流③崖崩れ─の三つに分類されることや、雨が降った後にわき水が「増えた・止まった・濁った」など土砂災害の前兆となる現象を説明した。段ボールで作成できる簡易トイレなども紹介し、「家族と一緒に防災を考えて」と呼び掛けた。

岩切さんが過去の調査の振り返りや、豪雨災害で壁面が崩れた阿室川の護岸が人の命や財産を守っていることを説明した後、子どもたちは阿室川に移動。網を手に川に入り、岩の下や草むらにいる生き物を探したり、捕まえたりした。

生き物は白いトレイに入れて観察。岩切さんが子どもたちに調査の中で発見したことや、自然を守るためにできることなどを問い掛け「子どもの時期に、心と頭をしっかり養って」と呼び掛けた。

この日はモクズガニやテナガエビ、水生昆虫のトビケラの仲間などがいたが、リュウキュウアユは見つからなかった。岩切さんによると、工事の影響などで減ったコケや藻、(アユが移動するための)海への通り道が時間とともに戻れば、リュウキュウアユが現れる可能性があるという。

同小3の児童らは「石をどかすと貝が見つかって楽しかった」「生き物を守りたい」「ゴミをできるだけ出さないようにする」と話した。

 

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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