「トゥンガ、トゥンガ!」「わあ、お菓子がいっぱい」-。旧暦8月15日の9月10日、鹿児島県与論島の各地で十五夜の伝統行事「トゥンガモーキャ」(餅盗み)が繰り広げられた。各家の玄関前にはトゥンガモーキャ用のお菓子がお供えされ、大きなかばんを提げた子どもたちが元気よく家々を回り、お菓子をもらっていた。
与論島の方言で「トゥンガ」は「餅」、「モーキャ」は「儲け」を意味し、旧暦8月の「与論十五夜踊」と同じ日に行われる。島民によると、十五夜に供えた餅や団子を子どもたちがこっそり集めた習慣が、少しずつ変化して現代に至る。
午後6時ごろ、すでに30軒回ってきたという茶花小の児童4人組は、茶花の銀座通りを大きなリュックをかついで「トゥンガトゥンガ」と大張り切り。児童たちは「あと20軒ぐらい回ります」と笑顔で話した。お菓子を用意した銀座通りの女性(60)は「子どもたちが持って行くだけ縁起がいいとされている。毎年来てくれてうれしい」と見守った。
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