鹿児島県立奄美高校家政科の恒例行事「泥染め体験」が11日、龍郷町赤尾木の大島紬村であった。生徒18人が染め作業を体験。持参した布を思い思いの模様に染め上げた。制作した作品は来年に生徒らが実施する奄美高校レストランで小物として使用し、大島紬のPRに役立てる。
泥染め体験は地域協働推進事業の一環。奄美大島の伝統文化である本場奄美大島紬への関心を高め、継承していくことの大切さを知る目的で毎年実施している。生徒らは持参した布に輪ゴムを縛り付けて模様を染め抜けるように加工した後、大島紬の特徴である泥染めの作業に挑戦した。
素足で泥田に漬かりながら中腰で行う作業は、若い生徒たちでも四苦八苦。出来上がった模様も狙い通りのものから予想外のものまでさまざまだったが、手作りで唯一無二の染め上がりに皆笑顔を見せていた。
指導した泥染職人の平勝也さん(70)は「泥染めは1300年の歴史を持つ大島紬の最大の特徴。奄美の宝物である大島紬のことを知ってもらい、大人になってから紬の伝統を守ってくれたらうれしい」と生徒たちへ思いを述べた。
泥染め体験は保育園の時以来という生徒は「イメージ通りに染められなかったけど、なかなか味のあるデザインになった。体験してみて改めて大島紬の工程の複雑さが分かった。きょう作った布はテーブルクロスに加工するので、来年の奄美高校レストランにはぜひ足を運んでほしい」と話した。
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