生活

有機農業の可能性探る オーガニックアイランド喜界島=シンポジウム開催、地域産業活性化へ意見交換

農薬や化学肥料に頼らない有機農業の支援、普及を目指すNPO法人「オーガニックアイランド喜界島」(杉俣紘二郎理事長)主催のシンポジウムが9月28日、喜界町湾のイベントスペースであった。同法人の加盟団体や農業、小売店、教員など多様な職業の町民ら約30人が参加。「地域産業の活性化とオーガニック」をテーマに意見を交わし、有機農業の可能性を探った。

同法人は2012年設立。杉俣氏は15年に日本で初めて黒糖における有機JAS認証を取得し、新規就農者の支援にも取り組む。シンポは2部構成。前半は同島産の粗糖や有機作物を取り扱う販売会社の代表らが登壇し、意見を述べた。

食品卸・輸入を手掛けるマイルストン食品(東京)の内田徹代表は「大事なのは有機認定ではなく、農家が良い環境で継続して作物を育てられること。理念を持ち、働き手が幸せと感じられる職場づくりが大切」と指摘。無添加商品のブランド化に取り組む高橋ソース(埼玉)の高橋亮人代表は「契約農家からは通常の約3倍の価格で買い取るため商品価格も高い。オーガニックは一定の購買層や地域に向けた選択肢の一つと捉えることが大事」との考えを示した。Gモプレシャス(東京)の松本加奈子代表は「子どもたちの食育につなげ、今の自分にできる社会貢献を」と述べた。

後半は同法人顧問の「風と光」(神奈川)の辻明彦代表が座長となり「地方産業の創生」をテーマに参加者と議論。同法人の喜禎浩之副理事は「理想と現実を踏まえ、持続可能な未来を議論する場が増えてほしい」と呼びかけた。

同町上嘉鉄の教員、大塚幸子さんは「オーガニックの取り組みやキビ産業の現状を知り、島の今を学ぶ機会になった」と語った。

喜界島での有機農業の可能性を探ったシンポジウム=9月28日、喜界町

 

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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