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高校生が「みき」作り 奄美高校家政科=初の試み、伝統行事食継承へ

 鹿児島県立奄美高校(奄美市名瀬)の家政科で「食文化」を選択している3年生14人は9月24日、同校で奄美大島の伝統行事食「みき」作りに挑戦した。郷土料理研究家の泉和子さん(73)を講師に招き、みきが作られてきた歴史や文化的な背景などを学びながら伝統食を継承しようと取り組んだ。

 みきは米とサツマイモ、砂糖を材料にした奄美の伝統的な発酵飲料。奄美高校家政科では奄美大島の伝統衣食を学ぶ講座を実施してきたが、みき作りをするのは今回が初。

 講座では前日から水に浸しておいたうるち米が用意され、生徒たちはそれをミキサーにかけて粉砕。教諭に粒子の大きさを確認したり、皮をむいたサツマイモをおろし金ですりおろすなどして、グループごとに取り組んだ。

 最も苦戦していたのが、とろみの出たうるち米を火にかけ、鍋を木べらでかき回す工程。焦がさないように何度も持ち手を代えたり、生徒同士交代しながら慎重に調理した。

 かゆ状になると冷まし、砂糖とサツマイモの汁を投入。鍋からふわっと芋の香りが立ち上がると歓声を上げて香りも堪能した。みきは障子紙で封をした容器に入れ、同校で一日発酵。明日の夕方にも全員で試飲会をするという。

 みきが好きで週に1回は飲んでいるという生徒は「とろみ加減や香りなど、とてもよくできた。発酵次第で味がどうなるのかドキドキだ」と笑顔。泉さんは「若い人にはみきが作られてきた旧暦の行事も覚えてほしい。稲作とともに培われてきた大切な文化を忘れないで」と話した。

出来上がった「みき」を、発酵を促す容器に入れる奄美高校生たち=9月24日、奄美高校

 

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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