元横綱・白鵬の宮城野親方が11月28日、鹿児島県徳之島を訪れ、伊仙町のほーらい館で講演会を開くなどして島民らと交流した。親方は15歳に初来日してから引退までの数々の逸話を紹介したほか、徳之島闘牛のチャンピオン牛とも対面。講演会には町内の中学生約230人が招かれ、大横綱から夢を持つことの大切さを学んだ。
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親方はモンゴルのウランバートル市出身。2000年に来日し、宮城野部屋に入門。07年に横綱昇進を果たし、21年に引退するまでに歴代最高の幕内優勝45回など数々の記録を残した。今回は若弟子の千鵬、石井(ともに三段目)と共に来島した。
講演会では「徳之島は大関の頃に巡業で訪れて以来。翌年には横綱に昇進したので縁起の良い島」と笑顔。
15歳の来日時は体重が62キロしかなかったことや、横綱昇進後もけがで苦しんだ経験なども話し、「小柄だった少年が横綱になれたのは自ら振り返っても奇跡。奇跡を起こせたのは『絶対に横綱になる』という夢のおかげ。行動と努力をすれば夢は必ずかなえられる。皆さんもたくさん夢を持って」と中学生らを激励した。
講演後は若弟子2人がまわし姿で四股やすり足、股割りなどを披露。親方はそれぞれの稽古の意味や目的などを解説し、相撲の動作に秘められた奥深さや魅力を伝えた。会場の外では徳之島闘牛のチャンピオン「黒龍王」と対面し、〝ダブル横綱〟のツーショットも実現。町相撲場では島内の少年力士たちとの交流もあった。
講演会に参加した伊仙中学校の生徒は「記念撮影で親方の隣だった。すごい存在感で、闘牛よりも圧力を感じた」と驚きの表情を浮かべ、「親方の講話で相撲の歴史や動作に込められた意味などを知ることができ、貴重な時間になった」と喜んだ。
宮城野親方の来島は徳之島観光連盟が主催する文化交流促進事業の一環。一行は29日まで滞在し、天城町の岡前小で児童らとの交流を予定している。
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