世界自然遺産について協議する「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議」の徳之島部会が11月7日、鹿児島県天城町役場で開かれた。環境省、県、徳之島3町、民間団体などから約50人(オンライン含む)が参加。各地域の保全状況を判定するモニタリング評価が示され、徳之島はネコ問題への対策など3項目で「見直しが望ましい」とされるB判定だった。
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同会議は徳之島の環境の保護と活用に向けて取り組む関係機関の情報共有と意見交換を目的に開かれている。今回は「奄美群島世界自然遺産保全・活用検討会徳之島自然利用部会」と併催。新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面開催は2019年度以来4年ぶりとなった。
モニタリング評価は遺産価値の維持や強化を目的に19年8月に策定した「世界自然遺産推薦地モニタリング計画」に基づく。21年度の調査結果をもとに「遺産価値への悪影響なし」の「S」から「事業計画の大幅な見直しが必要」の「C」までの4段階で判定した。
西表島を除く3地域では野生化したイヌやネコ(ノイヌ・ノネコ)による希少野生動物の捕殺が問題となっている。徳之島は①交通事故の発生②外来種(ノネコ・ノイヌ含む)による捕殺③飼い猫の管理―の3項目でB判定。③については4地域全てBとなり、徳之島については「不妊去勢手術率が高い一方でマイクロチップ装着率と室内飼養が低い水準」との指摘があった。
ユネスコ世界遺産委員会の要請への対応については、アマミノクロウサギなど希少野生動物のロードキル(交通事故死)対策として「県道花徳浅間線」「県道松原轟木線」で侵入防止柵(防獣ネット)を設置したことなどを報告した。
今年5月に島内での生息が確認された外来種「シロアゴガエル」の生息状況について、環境省徳之島管理官事務所の担当者は「島内753地点の調査の結果、40地点で分布を確認」「徳之島町井之川以南から亀徳以北で広く分布」「駆除数は成体4000以上、泡巣(卵塊)3000以上」などと調査と対策の内容を報告した。
意見交換ではシロアゴガエルのほか、奄美大島や沖縄県の一部で発生が確認されているソテツの害虫「カイガラムシ」など外来種対策への意見が多く、「周知啓発活動の拡充」「関連機関の情報共有と連携の改善」などを求める声が上がった。
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