鹿児島県奄美市の奄美大島世界遺産センターで7月26日、奄美の自然や暮らしをテーマにしたトークイベント・島唄ライブがあった。同センターの開設1周年イベント。奄美博物館元館長の久伸博さんと、一般社団法人巡めぐる恵めぐる代表理事の新元一文さんが身近な自然や昔ながらの暮らしについてトークを繰り広げたほか、唄者の楠田莉子さんと里朋樹さんによる島唄ライブもあり、約40人の来場者を楽しませた。
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トークイベントで新元さんは、シマ(集落)で培われてきた知恵や知識が現代社会で失われ、人々と自然との距離が広がってきていると指摘。久さんは、「自然と人の関わりを学び直すことが大切。地域をもっと理解することで郷土への愛着を深め、島の豊かさの価値を高めていける」と強調した。
島唄ライブは「自然と人と唄」がテーマ。奄美市笠利町出身の楠田さんと瀬戸内町出身の里さんは、それぞれになじみが深い奄美大島北部のカサン歌と南部のヒギャ歌を融合し、「朝花」「くるだんど」「豊年節」などを伸びやかに歌い上げた。
会場を訪れた與倉さゆりさん(39)=奄美市笠利町=は「先人の知恵や自然の中の暮らしなど改めて勉強になった。私も集落の人たちから話を聞いて知識を得て、他の人にも伝えていけたら」と話した。
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