今年「還暦」を迎えた鹿児島県奄美市名瀬の中央通りアーケードの60周年記念祭が20日、同通りで開かれた。小中学生らの演奏会や島唄披露、地元ミュージシャンのミニライブが催され、奄美黒糖焼酎の振る舞い酒など、にぎやかな雰囲気の中、店主や常連客、地域住民らが共に節目を祝った。
同アーケードは奄美群島唯一のアーケードとして、1964(昭和39)年7月20日に落成した。全長約200メートル、幅最大6メートル、高さ6・5メートル。買い物客を夏の日差しや風雨から守る商店街の「顔」として親しまれ、2006年には全面建て替えも行われた。現在44店舗が営業している。
記念祭では60年前の落成式の時間に合わせ、午後1時ごろに各店舗の店主や従業員、客が店先で一斉にクラッカーを鳴らしてアーケードの「還暦」を祝福。奄美大島の島唄教室「あやまる会」の子どもたちや、名瀬小吹奏楽部の児童、地元ミュージシャンが唄や踊り、演奏などで花を添えた。
名瀬中央通りアーケード商店街振興組合の堀口征治郎理事長(50)は「落成当時に理事長だった祖父から歴史や自慢話をたくさん聞いていた。今も元気な商店街を市民の皆さまへPRし、100周年まで見届けたい」とあいさつ。県大島支庁の松藤啓介支庁長、安田壮平奄美市長、奄美大島商工会議所の有村修一会頭(代読)が祝辞を述べた。
各店舗で記念セールがあったほか、酒造会社女性スタッフらで構成する奄美黒糖焼酎女子倶楽部の振る舞い酒や、落成当時を振り返る「なつかしゃ写真展」も開かれ、さまざまな年齢層の来場者でアーケードは終日にぎわった。
友人と浴衣で訪れた奄美市名瀬の女性(35)は「浴衣を買ったお店で記念祭を教えてもらった。子どものころから家族や友達と遊びに来る場所。こうしたイベントはうれしい」と笑顔で話した。
中学、高校の同級生という福山博子さん(81)と宮内キミ子さん(81)は、アーケード内に設置されている椅子で夕涼み。「食事や買い物の後でこうやって友達と会ってしゃべるのが楽しい」と話し、思い出話に花を咲かせていた。
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