「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録に向け、最南端の沖縄県西表島と鹿児島県奄美大島の自然環境について学ぶ「世界自然遺産子どもオンライン講座」(奄美大島自然保護協議会主催)が23日あった。奄美大島内6会場の小中学生19人が、オンラインで国指定特別天然記念物イリオモテヤマネコや、アマミノクロウサギについてクイズ形式で学習した。
西表野生生物保護センターの自然保護官・竹中康進さんと、奄美市教育委員会の平城達哉さんの2人が講師を務めた。
竹中さんは冒頭、西表島がどこに位置するかクイズを出題し、児童生徒らは早くも苦戦。奄美大島と西表島が約700キロ離れ、推薦地が広大なエリアになることを学んだ。
世界でも西表島にしか生息していないイリオモテヤマネコは、現在生息数が約100匹。イエネコと同じぐらいの大きさで耳が丸く、カエルや爬虫(はちゅう)類などなんでも食べる特徴がある。近年減少傾向にあるにもかかわらず、交通事故で死亡するケースも相次いでいることから、さまざまな保護活動を展開していることを紹介した。
平城さんは奄美大島固有の動植物のほか、江戸時代後期に作成された「南島雑話」に登場する動植物についても紹介。「現在とあまり変わらない的確な描写。動物たちの歴史が分かる」と話した。動物の鳴き声クイズもあり、児童生徒たちはルリカケスやアカショウビンの鳴き声に耳を傾けていた。
参加した名瀬中2年の生徒は「イリオモテヤマネコの死亡原因が交通事故というのは、アマミノクロウサギの状況と変わらないなと思った。昔の本に書かれた奄美の動物が変わらないのも面白い。いつか西表島に行きたい」と話した。
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