奄美の森では野生化したネコ=ノネコによる希少生物などへの被害が出ていて、世界自然遺産登録を目指す上でも課題となっています。これまでに191匹が捕獲されるなど、対策も進められていますが、新たなノネコを増やさないためにも、飼い主の意識も問われています。
特別天然記念物のアマミノクロウサギが生息する奄美大島の山中で撮影されたのは、野生化したネコ=ノネコです。奄美大島の山中には600~1200匹いると見られ、国は2018年7月から、捕獲を進めています。
奄美市では3日、国などによる検討会が開かれ現状などが報告されました。それによりますと、4つの重点地区、およそ103平方キロの範囲に450基のわなと120台のセンサーカメラを設置するなどして、捕獲開始から先月末までに191匹を捕獲。重点地区ではノネコがカメラで撮影されることが減り、アマミノクロウサギのフンの数も増えているといいます。
捕獲エリアは今後、およそ3年かけて島内全体に広げられる計画です。ただ、ノネコが発生する原因は人間の側にもあり、住民の意識改革も必要だといいます。
(環境省奄美群島国立公園管理事務所 阿部愼太郎所長)「できれば室内飼いを考えていただきたい。外に出さないような飼育を心がけていただけると、ノネコの発生の縮小につながる。みなさんの協力があって、世界遺産登録に向けて動いていければ」
奄美市では飼い猫の避妊手術に対する助成なども行っていますが、今年夏には奄美・沖縄の4島の世界遺産登録について話し合う委員会も控えるだけに、よりいっそうの取り組みが求められます。