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豊穣に感謝「ティーヤ」 瀬戸内町清水、「ヒヨヒヨ」も

旧暦9月6日夜から7日早朝にかけて行われる、鹿児島県瀬戸内町清水集落(141世帯227人)の伝統行事「ティーヤ」と「ヒヨヒヨ」が22~23日、同集落の厳島神社で行われた。五穀豊穣(ほうじょう)の感謝と無病息災を祈る行事。今年は新型コロナウイルスの影響で、ティーヤで行われる境内での宴会は中止になったが、多くの住民が参拝に訪れ、家族の健康や集落の安寧を祈っていた。

集落の人々によると、ティーヤはかつて清水集落の人々が、厳島神社の神に五穀豊穣を感謝し、夜を通して社殿の祭壇に明かりをともしたことから「ティーヤ(通夜・徹夜)」と呼ばれているという。現代では徹夜することはないが、深夜まで境内で宴会をする。

翌朝、夜明け前から行うのが無病息災を願う「ヒヨヒヨ」。言葉の意味は不明だが、社殿を左周りに走りながら「ヒヨヒヨ~ヒヨヒヨ~」と唱え、ソテツの葉をちぎり、社殿内に投げ込む伝統行事。

小雨の中、22日午後6時ごろから住民たちが次々と神社に集まり、社殿の外にある仏を祭る石と社殿内の祭壇に線香を手向けて祈りをささげた。深夜まで集落の人々が祭壇に明かりをともし、歓談した。

翌23日は午前5時半からヒヨヒヨを開始。集まった小学生や住民ら約10人が、まだ薄暗い社殿の周りを「ヒヨヒヨ~ヒヨヒヨ~」と唱えながら、ソテツの葉をちぎって社殿に投入。葉は1000枚に束ねられ、祭壇にささげられた。その後、バショウの葉で閉じたミキ樽を開き、食べると1年間無病息災で過ごせるという団子とともに参加者に振る舞われた。

ヒヨヒヨに参加した古仁屋中1年の円山獅道君(12)と弟の古仁屋小4年の竜之介君(10)は「ヒヨヒヨの言葉の意味はよく分からないが、毎年楽しみにしている」と笑顔。婦人会の女性は「親がするのを見よう見まねで続けてきた。集落を挙げて現代まで継続している伝統行事。誇りに思う」と語った。

南海日日新聞〔写真〕五穀豊穣の感謝の祈りをささげる「ティーヤ」=22日、瀬戸内町清水の厳島神社

南海日日新聞〔写真〕五穀豊穣の感謝の祈りをささげる「ティーヤ」=22日、瀬戸内町清水の厳島神社

南海日日新聞〔写真〕無病息災を祈り、「ヒヨヒヨ~」と言いながらソテツの葉をちぎって投げる「ヒヨヒヨ」=23日、瀬戸内町清水の厳島神社

南海日日新聞〔写真〕無病息災を祈り、「ヒヨヒヨ~」と言いながらソテツの葉をちぎって投げる「ヒヨヒヨ」=23日、瀬戸内町清水の厳島神社


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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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