写真展「わが家の客はクロウサギ」が6月5日、鹿児島県徳之島・天城町の役場1階ホールで始まった。同町当部集落の人家近くで撮影されたアマミノクロウサギの写真を複数展示。人間の生活圏と世界自然遺産エリアが密接する徳之島の特徴を象徴する内容となっている。同日開かれたオープニングセレモニーで撮影者ののせたかこさん(47)は「身近に希少野生動物がいる当部の豊かさを知ってもらいたい」と話した。
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写真展は「環境の日」(6月5日)に合わせて開催した。のせさんは東京都出身で地域おこし協力隊として2017年に天城町に移住。20年から当部集落で暮らし始めた。現在、自然観察会や各種体験活動を行う「森と海の藝術楽校」を主宰し、町から委託を受けてアマミノクロウサギの生息調査を実施した。
展示作品は調査の中で撮影した写真。当部集落の民家の庭先に現れ、庭の植物を食べたり、毛づくろいしたりするアマミノクロウサギをとらえた写真のほか、集落付近で確認されたアマミノクロウサギのふんや毛なども展示している。
のせさんは「身近にクロウサギがいてうれしく感じた一方、食害などの被害があることも事実」と課題も挙げ、「かわいいと思うだけでなく、希少な自然とどう共生していくかを真剣に考えるきっかけにしてもらいたい」と話した。
セレモニーに出席した森田弘光町長は「環境の日にふさわしい写真展が開催できて町としても誇らしい」と笑顔を見せ、「多くの人に来場してもらい、世界自然遺産の意味や今後の徳之島について考える機会にしてもらえたら」と期待した。
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