全校児童が「常さん」
鹿児島県徳之島の伊仙町立馬根小学校(茶屋大作校長)は2020年度、全校児童9人の姓が「常」となり、学校や地域の話題になっている。一方、同校は21年度から24年度にかけて、新入学生がゼロとなる可能性があり、地域と連携して児童の確保策を協議していく方針だ。
校区の馬根、中山の両集落の区長を務める嶺津太郎さんによると、2集落は約80世帯が暮らしている。「常」「四本」「稲」の3姓が大半を占めており、常さんは20世帯。高齢化の影響で子どものいる世帯はほぼ常さんに限られるという。
19年度は6年生に常姓以外の児童が1人在籍していたが、卒業したため全員が常姓になった。茶屋校長(55)は「教員生活30年以上になるが、赴任校で児童全員が同じ名字になるのは初めて。教職員も児童を下の名前で呼び、児童と職員の距離感が近い」と話す。
伊仙町では、特認校制度や留学生制度を取り入れている小学校はない。同校によると、校区内に子育て世帯の移住がなければ、21~24年度は新入学生が不在となり、24年度には児童数も3人に減少する見込み。
同校では19年度末に同校活性化委員会を立ち上げ、児童の確保策を練ってきた。本年度は7月までに集落代表者も加えて校区の総意をまとめ、特認校制度導入や移住促進策などを町側へ要請する考えだ。
茶屋校長は「学校と地域一体となって学校存続への協議を進めるとともに、馬根小学校で学びたいと思ってもらえるような特色ある学校づくりに努めていく」と力を込めた。
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