地震や津波などの大規模災害を想定した避難所開設訓練が12月5日、鹿児島県立徳之島高校であった。1年生約80人が、同校の武道館で簡易テントやベッドの設営を体験。いざという時に、生徒が自主的に避難所の運営に協力するためのノウハウを学んだ。
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訓練はアクサ生命保険と国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、東日本大震災の経験や教訓を全国の学校防災につなげるために実施している支援事業の一環。今年度の事業対象は30校で、県内からは同校と徳之島町の亀津小学校が選ばれた。
訓練は奄美群島近海を震源とする震度6弱の地震が発生し、高さ6・8メートルの津波が徳之島沿岸を襲ったという設定で実施。生徒らは4~5人のグループに分かれ、それぞれが「乳幼児と保護者」「外国人」「視覚障がい者と盲導犬」などのさまざまなタイプの要支援者を想定してテントを設置した。
訓練で使用したテントやベッドは、町が災害時に備蓄している物を使用。生徒たちは「高齢者や足が不自由な人は入り口の近くが良い」など話し合いながら設置場所を判断。▽プライバシーを守るためにテントの入り口を向かい合わせにしない▽壁際に通路を確保する▽夏の暑さ、冬の寒さも考慮する―などのポイントも学んで非常時に備えた。
総合学科の生徒は「入り口近くにテントを設営したが、通路のスペース確保は頭になかった。他のグループと連携して配置を考える必要があった」と反省を交え、「他の人の支援を想定した訓練は初めて。きょうの経験を生かして、いざというときでも自主的に行動できるようにしたい」と話した。
同校は徳之島町地域防災計画で避難所に指定されている。訓練を指導した本田誠教頭は「初の試みだったが生徒たちも自分たちで考えながら真剣に取り組んでくれた」と総括し、「実際の災害時は若くて体力のある生徒たちの力が頼りになる。避難時に自主的に行動し、他の人たちと助け合える力を身に付けてほしい」と期待した。
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