鹿児島県内の酒造メーカーや県、国の関係者で構成する県焼酎輸出拡大等プロジェクト小委員会の2023年度会合が7月1日、鹿児島市の県庁であった。少子高齢化や消費者嗜好(しこう)の変化などで国内市場が縮小傾向にある中、海外へのさらなる市場開拓が必要との認識で一致。各国のニーズに応じたプロモーションを展開しながら、奄美黒糖焼酎など県産本格焼酎の認知度向上、販路拡大に取り組むことを確認した。
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会合には同委員会顧問の塩田康一県知事や県酒造組合の濵田雄一郎会長をはじめ、ウェブも含め関係者約40人が出席した。
県販路拡大・輸出促進課によると、21酒造年度県産本格焼酎の生産量は10万6735キロリットルで8年ぶりに前年度を上回ったものの、ピーク時の約42%にとどまった。出荷量は9万1940キロリットルで、前年度比減が9年連続となった。
他方、輸出量はアジアを中心に需要が回復し、21酒造年度は580キロリットルで前年度比34・8%の増。輸出量の上位3カ国は中国、韓国、米国で、全体の約7割を占める。
会合では熊本国税局の担当者が最近の日本産酒類の輸出動向を説明した。鹿児島県の22年分の本格焼酎輸出金額は前年比59・5%増となり、九州では伸び率がトップだったことや、今年4月の最新の状況については「輸出金額は米国が中国を抜いて1位。中国では新型コロナウイルス禍でのロックダウンを機に商品が動かなくなったものの、今後は回復すると思われる」との見通しを示した。
23年度の取り組みでは、▽英国最大のワインとスピリッツの教育機関「WSET」と連携した講座などでの普及活動▽九州4県による米国トップバーテンダーを活用した焼酎カクテルの普及▽フランス大手酒販卸店などをターゲットに輸出商社と連携した海外営業活動▽中国(上海)県事務所による現地飲食店などでのプロモーション活動―に力を入れることを申し合わせた。
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