盗掘防止に自動撮影機
鹿児島県奄美大島で相次ぐ希少な動植物の盗掘・盗採の防止に向けて、島内5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会(会長・當田栄仁奄美市プロジェクト推進課長)は2019年度、山中に自動撮影カメラ30台を設置した。近くを通る車両や人を感知して撮影し、画像や日時などの情報を記録する。島内で展開している希少種保護パトロールと合わせて、監視体制の強化を図る。
希少種や固有種が多く、世界自然遺産登録を目指す奄美大島では、動植物の違法な捕獲や採取が後を絶たない。乱獲によって絶滅の危機にさらされている種もあり、自然遺産登録に向けた大きな課題となっている。
盗掘・盗採防止に向けて、同協議会は希少種保護パトロール員4人体制で山中のパトロールを実施。今年の大型連休には環境省との合同パトロールを実施したが、期間中の2日、県の希少野生動植物保護条例で採取が禁じられているカクチョウラン約10株の盗掘が発覚した。
自動撮影カメラは県の19年度地域振興推進事業で3月に設置した。事業費は194万4千円。定期的に撮影したデータを回収して分析し、パトロール活動の強化や効率化に役立てる。違法な盗掘・盗採が確認されれば、警察への情報提供も検討するとしている。監視中であることを知らせる看板も設置した。
同協議会事務局の奄美市プロジェクト推進課は「希少種保護パトロールに加え、カメラ撮影情報の分析を行いながら、これまで以上に関係機関と連携して保護の取り組みを進める。島内外の人に貴重な自然を守る認識を深めてほしい」と述べた。
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