鹿児島県奄美大島の〝奥座敷〟宇検村の魅力を伝える体感ツアーが3日、同村の各地であった。特産品を使ったランチや集落歩き、フォトスポット巡り、リュウキュウマツの箸作りなど、全8メニューに村内外から計39人が参加。夜は花火大会もあり、参加者は1日をかけてじっくりと同村を満喫した。
ツアーは同日あった「第46回宇検村やけうちどんと祭」に合わせた新たな観光振興の一環として、宇検村元気の出る公社が初めて開催した。1メニュー当たり2500~8000円で、花火の観覧席と優先駐車場がセットになっている。
宇検村宇検であった集落歩きツアーには、奄美市名瀬や同市笠利町から11人が参加。集落内のカフェ「木果(モッカ)」で特産のクルマエビをふんだんに使った特製ランチを堪能した後、宇検村文化財保護審議委員で奄美群島認定エコツアーガイドの川渕哲二さん(77)の案内で集落散策へ出発した。
宇検集落には元禄元年~明治22年までの275年間、薩摩藩の方役所(現在の役場)が置かれていた。川渕さんは当時の港跡や地域を治めていた碇家の墓地、地元の人が「日本一」と誇るガジュマルの大木などを案内。「かつては政治・経済の中心地だった名残があちらこちらに残っている。歴史を次世代に伝えていきたい」と語った。
夫と共に参加した奄美市笠利町の桝谷芙美子さん(70)は「宇検集落には来たことがなく、同じ島に住んでいても知らないことばかりでとても面白かった。花火も楽しみ」と笑顔で話していた。
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