旅立ちの春を迎え、鹿児島県奄美市の名瀬港では連日、転勤や進学、就職で島を離れる恩師や仲間を見送る光景が続いている。コロナ禍のあおりで、船と岸壁をつなぐ紙テープは今年も見られず、人々はターミナル2階から手を振り、別れを惜しんだ。
県は新型コロナウイルス感染症対策として見送り自粛を求め、名瀬港岸壁への立ち入りを禁止。28日夜、ターミナル内では声を掛け合う姿も見られたが、コロナ禍以前のにぎわいはなかった。午後9時半すぎ、ゆっくり動き出す船に「頑張って」「元気でね」とエールを送った。
瀬戸内町の古仁屋小で校長を3年間務め、鹿児島市に転勤する赤岩道春さん(58)は「子どもたちの無邪気な笑顔は忘れない」。奄美高校を卒業し、自衛隊に入る峯岸勝美さんは「人の温かさに支えられてきた。仕事を通じて恩返ししたい」と語った。
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