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自動運転グリスロ始動 沖永良部島・知名町=島の交通課題解決へ

鹿児島県沖永良部島の知名町は16日、同町住吉の鍾乳洞「昇竜洞」の観光歩道出口から入り口駐車場までの町道区間約600メートルで、自動運転技術を搭載した低速電動車両グリーンスローモビリティ(グリスロ)の実証走行を始めた。15日に昇竜洞出口駐車場で実証走行開始の記念式典があり、関係者約20人が参加。実証走行によるEV(電気自動車)の普及推進や島の交通課題解決に期待を込めた。実証走行期間は6月30日までの土、日、祝日午前9時~午後5時。

昇竜洞は島内最大の観光鍾乳洞。同区間では車などで訪れた観光客が洞内を観光した後、入り口駐車場までの坂道を徒歩移動しなければならず、体力に不安のある人や気温が高い時期の熱中症リスクなどが問題となっていた。

実証走行は2023年8月に締結した同町とヤマハ発動機(本社静岡県)、名古屋大学(本部愛知県)との連携協定に基づく共同研究の一環。ヤマハ発動機製のゴルフカートを公道走行が可能な車両に改造し、自動運転技術は名古屋大学が独自に開発した。同町によると、県内で自動運転技術を活用した実証走行は初めて。

運転手は講習を受けた町民ボランティアで車両の発進、停止、安全確認などの操作を行う。運転手を含めた4人乗りで、昇竜洞に訪れた観光客を対象とし、乗車料金は無料。運営は昇竜洞を管理するおきえらぶフローラルホテルと町役場企画振興課が担う。

式典で今井力夫町長は「自動運転システムは過疎化、都会においては人手不足の中で、社会のモビリティをどう維持していくかという意味で大きな意義がある。子どもたちには地球環境について考えてもらういい勉強素材になる。町の至る所で進めていければ」とあいさつ。

名古屋大学未来社会創造機構モビリティ社会研究所の森川高行教授は、移動を自分事として捉える自身の造語「マイモビリティ」について説明し、「沖永良部島だけでなく、あらゆる地域の公共交通機関が廃止やサービス低下となっている。運転手不足解消の決め手となる自動運転を使って、この地にマイモビリティが育っていくとうれしい」と述べた。

式典後は来場者を対象とした体験試乗があった。

町の担当課によると、約3カ月間の実証走行でデータを収集。24年12月以降に沖永良部島仕様の車両や再生可能エネルギーで充電できる専用車庫などを整備し、グリスロの本導入を進めていく考え。

実証走行を始める電動車両を体験試乗する関係者=15日、知名町

南海日日新聞

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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