鹿児島県瀬戸内町加計呂麻島(かけろまじま)の徳浜で2月10日朝、アオウミガメの産卵が確認された。日本ウミガメ協議会によると、国内で今年初の産卵例という。奄美大島でのウミガメの産卵は5月から7月にかけて多く、2月に確認されたのは今回が初めて。奄美海洋生物研究会の興克樹会長は「かなり珍しく、奄美群島全域でも初めてのことではないか。季節風が当たらない穏やかな環境や高海水温の影響などが考えられる」と話した。
徳浜在住の鞠山重子さん(68)が早朝、浜辺を散歩中にウミガメの足跡を発見。季節外れの上陸に驚きつつ、近付いて産卵跡が確認できたためすぐに関係機関に連絡した。徳浜は昔からウミガメの上陸が盛んで、住民の間でもカメの話題が多かったという。
幼いころから身近な存在としてウミガメに親しみ、産卵シーズンには個人的に砂浜のパトロールや清掃をしているという鞠山さんは「これを機にたくさんの人が関心を持ち、カメが産卵しやすい浜辺をみんなで保っていけたら」と語った。
奄美海洋生物研究会によると、徳浜では2005年12月11日にアオウミガメの子ガメの孵化が確認されるなど、過去にも特異な観察の記録がある。
興会長は「近年は季節外れの産卵例がいくつかあり、今後に注目している。産卵シーズンには調査員が巡視して上陸・産卵の痕跡調査をしているが、地域の方々の情報提供は貴重で大変ありがたい」と話した。
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