鹿児島県沖永良部島の伝統行事「墓正月」が1月16日、島内各地であった。知名町田皆では各家の墓前で親族が一重一瓶を囲む昔ながらの風景が見られた。
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同集落の住民女性(70代)が先祖から受け継いだ習わしによると、この日墓前には▽ごはん▽吸い物▽厚揚げと豚三枚肉▽卵焼き―のユチグニ(四つの膳の組み合わせ)を供える。近年は時代の流れとともに、家庭によって供え物が簡素化されているという。
名里家ではこの日に合わせて島外から親族が来島。新型コロナウイルスの影響を受け帰省が困難だったことなどから、初めて会う幼子と地域住民との交流などでにぎわっていた。名里武也さん(88)は「正月に迎えた先祖を、今日は正月のすべての行事を終えて盛大に見送る日。親族はもちろん、都会から帰って来た出身者とも久しぶりに交流できる年1回の楽しみでもある」と笑顔で話した。
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