鹿児島県与論町(与論島)の城(ぐすく)自治公民館(森展宏館長)で8月28日、国指定重要無形民俗文化財「与論十五夜踊」に向けた、恒例の大綱作りがあった。子どもから高齢者まで約70人が参加。力を合わせて綱引き用の大綱としめ縄を作り上げた。
与論十五夜踊は毎年旧暦3、8、10月の15日に奉納され、8月(今年は9月10日)は最も盛大に行われる。踊りの後に大綱で無病息災を祈願する綱引きがあり、綱が切れた後の稲わらで互いの体をたたいて無病息災を願う。
この日は、かごしま無形文化財継承支援・活性化事業(同実行委員会)の一環で、後継者養成、技術継承を目的とした大綱作りのオンライン配信もあった。
参加した子どもや高齢者は主に、稲わらを整え、水に浸したわらを打って編みやすくする作業を担当。男性陣は声を掛け合いながら綱を力強く編み込み、約20㍍の大綱を仕上げた。
初参加した酒井芽音さん(与論小6年)は「わらの編み方を知ることができてよかった。これからも続けてほしい」と話した。老人クラブ「城琴平会」の麓才良会長は(74)は「最近はコロナ禍で活動ができなくなっていたが、この機会にこうして集まり、技術継承の記録として映像が残せることをうれしく思う。子どもたちにも縄の編み方を伝え、昔ながらの大網作りの在り方を実感してもらえた」と話した。
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