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2024年度鹿児島県総合防災訓練は26日、奄美市名瀬の名瀬港長浜みなと公園をメイン会場に、市内各所で実施された。大地震と大雨の複合災害を想定し、行政、警察、消防、自衛隊、海保、関連企業、住民など80機関・団体の約1千人が参加。1月に発生した能登半島地震も踏まえつつ、離島での大規模災害発生に備えた。小雨の中、参加機関は災害時のそれぞれの役割を確認し、連携体制の構築に努めた。
県は災害対策基本法や県地域防災計画に基づき、県内各地区持ち回りで総合防災訓練を毎年実施。奄美地区では20年度に予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で中止となり、11年ぶりに開催された。
訓練は、奄美大島近海を震源とするマグニチュード8・2の地震が発生し、大津波警報が出される中、大雨・洪水警報も発表されたとの最悪のシナリオを想定。家屋倒壊による負傷者や、土砂崩れによる道路寸断などの被害が発生したとも仮定した。
主な訓練会場は名瀬港長浜みなと公園、奄美川商ホール、陸自奄美駐屯地、名瀬運動公園、名瀬港マリンタウン緑地公園など。
各所で▽住民避難▽避難所運営▽防災意識啓発(各種団体のブース展示)▽合同災害対応▽ライフライン復旧▽広域搬送拠点臨時医療施設(SCU)設置─などの訓練が行われた。悪天候で、航空機やヘリコプターによる訓練はほとんど中止となった。
総合防災訓練に合わせて、自主防災組織など奄美市の43団体約1750人が、各地区で高台や避難所への避難訓練を行った。25日には能登半島地震の教訓を踏まえ、県本土から離島への災害応急要員や車両の搬送訓練を初めて実施した。
終了式で塩田康一知事は「防災関係機関が緊密な連携の下、それぞれが担う役割を確認し、実効性の高い訓練ができた」と講評。安田壮平市長は「実践的な訓練の知見を基に関係機関とさらに連携を強化し、奄美市の防災力向上に生かしていきたい」と述べた。
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