世界を旅する写真家・石川直樹さん
フィールドは世界の秘境や辺境の地。重いフィルムカメラを携え、時に8000m級の山々にも・・・そして、鹿児島の島々。地球のあらゆる場所を旅しながら撮影する写真家、石川直樹さん。東京出身の42歳です。
奄美群島など島に通い続けて20年。写真家として、カメラを向けるのは島の自然や暮らし、人々の営み。2016年には奄美大島観光大使に任命されました。
「奄美群島が好きで、大島を始め徳之島とか沖永良部とか、離島にも何度も通っていて地元の人と、親しくなってお願いしていただいて、引き受けたという形ですね。」
奄美群島の一つ、与論島。奄美や沖縄、アジアの文化が混ざり合うこの島に石川さんは惹かれています。
「沖縄が見えるというのはすごいことだなと思っていて、目の前に沖縄があってその先にまた島々が連なっていると思うと、アジアに開けた世界みたいなのをすごく感じますけど」
大地が地下水によって侵食され、作り上げられた鍾乳洞。しかしなぜか、鳥居が・・・
「見慣れないものを見たときとか、わーって思うとか自分の中で心が揺さぶられるというか、気持ちがわさわさした時に撮っています。」
体が反応を示す場所を探し求めて、島を巡ります。車を停めたのは意外な場所でした。島の幹線道路沿いに建つ、一軒の民宿
「なぜ自分が気持ちを揺さぶられたのかとか、風景を目の前にしてシャッターを切ったのか、全部一つ一つの写真にはなんで撮ったか理由があって、」
しかし、石川さんはその理由を説明することはありません。感じ方は人それぞれだからです
「その土地特有の日々の流れみたいなものはありますよね例えば徳之島の闘牛とかも、何度か通って写真も撮らせてもらったし、奄美に関しても非常に広くて昔は船からアクセスしながら、幾つもの集落ができて来たと思うんですけど、海からの視点と陸からの視点が全然違ったりして面白い島だなと思いましたね。」
世界中を旅して来た石川さんにとっても奄美の森は特別な感情を抱く場所です。
「金作原の森に夜に行ったりして黒ウサギに偶然出くわしたりとか森の気配とかが恐ろしいんだけどすごく美しいし、上を見上げると空なんだけども森に覆いかぶさってくるような、あの感じというのは屋久島の森とは少し違いましたね」
これからの奄美について
「もちろんそういうリゾートとかなり安い環境だと思うんですけど、やっぱり人と自然が共生できるような、配慮をした上で時間が経って行けばいいなと思いますね」