奄美を拠点に活動するシンガーソングライター ハシケンさん
奄美市在住のシンガーソングライター、ハシケンさん。本名、橋本兼一さん埼玉県出身の51歳です。奄美の島唄との出会いは、徳之島の闘牛を題材にした「ワイド節」のCDでした。
ワイド節とオリジナル曲合わせ9曲を収録したアルバム感謝。このアルバムが、ハシケンさんと奄美をつなげました。
(ハシケンさん)「そしたらそのアルバムが奄美大島の中で私が全然知らないところで、意図してないところで勝手に広まっていて、私の他のオリジナル曲も勝手にカバーされてる奄美の人がいたんですよ。それで、じゃあハシケン本人を呼んでみようということになったらしく、2000年に初めてライブをやるために呼んでもらいました。そこからですね」
自然や人の温かさに魅了され、東京中心だった音楽活動の拠点は、次第に奄美に移ります。2011年には奄美大島に移住しました。
(ハシケンさん)「山もあるし海もあるし川もあるし自然が豊かなんですけど、なにしろ奄美の人のあったかさとか親しみやすさとか、島外から来た人に対するおもてなしの気持ちの強さですよね。そこが他の地域では体験したことがない感じがあって、自然にももちろん惹かれるものはあったんですけど、人間力みたいなもの、人の魅力にやられたところがおっきいと思います」
奄美では、元ちとせさんなど奄美出身のアーティストたちの楽曲づくりをはじめました。東京で作る曲と奄美で作る曲は、自然と異なってくるのではと話します。
(ハシケンさん)「基本的にずっと東京で活動していたので、そこから見える景色と、5分とか10分行けば海が見えるとか、奄美は山も多いので山とか川があるって状況で気分転換をするとかっていうことに関しても、環境があまりにも違うの自分でもあまり考えてなかったり無意識のうちにかなり影響を受けてると思いますね。曲とか歌詞とかにも反映してると思いますけど、自然に流れでやってしまってるので意識はしてませんけど。あとで振り返ってみたら色々影響があるってあとで分かるかもしれません。今真っ只中にいるかもしれません」
2014年にカンヌ映画祭に出品された河瀬直美監督の映画「2つ目の窓」では、音楽を担当しました。奄美の高校生を主人公にいのちや親子の関係などを描いた作品です。
(ハシケンさん)「撮影途中で小学校のピアノをお借りして俳優さんとかの前で演奏したりして、その楽曲がテーマ曲に集約されていったんですよ。音楽でカンヌとかに行けたっていうのは自分にとっては新しい芽を見せられることが出来たし、奄美との縁がなかったらそこまで繋がらなかったなってすごく思いましたね。縁をすごく感じました」
カンヌ映画祭では受賞は逃したものの大島紬を着てレッドカーペットを歩き、大いに奄美をPRしました。
(ハシケンさん)「今一番やりたいと思うのは奄美の島唄、私が関わらせてもらってる中村瑞希ちゃんとかいますけど、中村みずきちゃんとかが歌ってる島唄っていうのが今使われていない言葉を歌っているので、現代で使っている言葉を島唄と合わせていくとか。島唄でずっと歌ってきた内容のことを違うメロディに乗せて、こういうことを島唄は歌ってきたんだよっていうことを私なりの解釈で伝えることができたらなと思ってます。それを新しい人たち、若い人たちに伝えるための手段として出来たらなっていうのは強く思ってます」