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地域の移動手段確保へ 奄美市=運送サービス開始 住用・笠利で出発式

 鹿児島県奄美市は1日、市内のバス路線再編に伴う交通空白時間帯を補うために「自家用有償旅客運送」のサービスを住用と笠利の両地区で開始した。同日、それぞれの総合支所で出発式があり、関係者らが利用者のもとへ向かう車両を見送った。両地区とも今後、利用者の意見を聞きながらサービスの改善や拡充を図っていく。

 「自家用有償旅客運送」はバスやタクシー事業が成り立たない地域の輸送手段の確保のために、自治体などが自家用車を使って有償で運送する仕組み。「自治体ライドシェア」とも呼ばれ、奄美市では今年9月に県知事からの登録を受け、住用は市社会福祉協議会、笠利は三井タクシーにそれぞれ業務委託している。

「三太郎タクシー」の呼び名で運行を始めた住用地区の「自家用有償旅客運送」出発式=1日、奄美市住用町

 住用は前日正午までの予約制(デマンド型)で、自宅前~目的地(町内に限る)の送迎。笠利は定時運行(予約不要)で、Aコープが主な発着地。利用者は路線上どこでも自由に乗り降りができる。

 運賃は1人当たり一律300円(小学生半額・未就学児無料)。両地区とも講習を受けた地元住民らが運転手で、車両は住用が軽自動車2台で開始(今後増台予定)し、笠利は10人乗りの車両1台で運行する。

 「三太郎タクシー」の呼び名で運行を開始した住用地区の出発式で平田博行事務所長は「高齢化が進む住用地区において、一筋の光が差した思い。大切にしながらいいサービスにしたい」と述べた。同地区の最初の利用者で、町内の診療所に到着した住用町川内の70代女性は「予約からスムーズで、島の人の運転で最高だった」と喜んだ。

 島内で路線バスを運行する「しまバス」は、利用者の減少に伴う赤字や運転手不足により路線を再編。市内の9系統を廃止し、4系統を減便。廃止区間を補う3系統を新設した。

 運賃の改定を30年ぶり行い、1日からは名瀬市街地エリア内の乗り降りを一律200円に設定。ご長寿パスは住用・笠利を除き、それぞれ400~700円値上げした。乗り放題券(フリーパス)は1~3日間とも値上げ。

笠利地区の「自家用有償旅客運送」出発式=1日、奄美市笠利町(提供写真)

 

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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