奄美・沖縄の世界自然遺産登録で奄美大島への観光客が増加する中、新たなエコツアーコースの造成に向けた研修会が7月6日、奄美市住用町であった。島内のエコツアーガイドら26人が参加し、同町役勝(やくがち)の「役勝エコロード」散策や座学を通して植物、生物、地学、歴史などの項目でツアーコースとしての魅力を探った。
研修会は奄美大島エコツアーガイド連絡協議会、あまみ大島観光物産連盟の共催。自然環境や歴史文化を体験するエコツアーの需要が高まる中、世界自然遺産に登録された奄美市名瀬の金作原国有林と同水準のツアーコースを造成することで、金作原の観光利用過密化などを防ぐ目的。
役勝エコロードは役勝川(やくがちがわ)沿いの市道三川線(旧県道)の名称で、緩やかな傾斜のある全長2・2キロのコース。初めに実地研修があり、高校科学の教育職員資格を持つ笠利総合支所市民課の窪田真依子主査、奄美群島認定エコツアーガイドで植物に詳しい國宗弓穂さんが見どころを伝えた。
窪田主査は約1億5000万年前に海底にあった地層が見られる場所を示しながら、奄美群島の成り立ちなどを解説。國宗さんは似ている植物の見分け方や、奄美で森林がどのように利用されてきたのかなどを紹介した。参加者は時折メモを取りながら熱心に聞き入っていた。
住用公民館であった座学では、奄美海洋展示館の打和宏介学芸員が役勝川に生息する生き物について、住用町下役勝の元区長祷義夫さんが1919年の県道(現国道58号)開通以前の交通事情や暮らしについて講話した。
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