環境保全と観光振興の両立による地域活性化の「奄美モデル」構築に向け、上智大学大学院地球環境学研究科(織朱實教授)の学生16人は9月16~18日、鹿児島県奄美大島・宇検村で「豊年祭」の運営に携わる現地研修を実施した。17日は、湯湾、名柄、須古集落の豊年祭にサポーター役として参加。奉納相撲の力士や余興の踊り手となり、コロナ禍で4年ぶりの開催となった伝統行事を住民と共に盛り上げた。
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上智大学(上智学院運営、東京、アガスティン・サリ理事長)と日本航空(JAL、本社東京、赤坂祐二代表取締役社長)の共同研究の一環。宇検村での実証を通し、奄美群島の環境と観光の持続的な共存、共栄の実現につなげる狙い。
織教授の研究科は2022年11月、宇検村民との交流を通して奄美の「環境文化」への理解を深め、観光促進による地域振興を探るフィールドワークを実施。今回は、前回調査の「地域課題の解決には村民の希望を守ることが最優先」との報告を踏まえ、高齢化や人口減少に伴う人材不足の解消を望む村の意向を受け、研修プログラムが組まれた。
学生は3班に分かれ、祭り前日から各集落区長の家に泊まり、土俵や会場、伝統料理「ウヮーオリ(豚折)」の準備を手伝ったほか、旧暦文化や八月踊りの歴史などについて学んだ。当日は〝盛り上げ役〟として祭りに参加するだけでなく、ガーナ人留学生が余興で母国の踊りを披露するなど、異文化交流も積極的に行った。
中国の留学生(23)は「村の人がとても親切で、外国人の私にも壁がなく、それが一番うれしい。中国は『春節』の文化はあっても、豊年祭のように人々が踊って祝う文化があまりないので、貴重な体験となった」と話した。
湯湾集落の藤村茂樹区長(70)は「4年ぶりの豊年祭に学生も加わり、集落が活気で満ち、うれしい限り。学生には集落が学びの場となり、住民には刺激や活力の資源として、今後も互いに良き関係が築けることに期待する」と述べた。
今回の現地研修での結果は、JALと連携し、シンポジウムで報告される予定。
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