奄美・沖縄の世界自然遺産登録1周年を記念した写真展「奄美悠久の自然と文化」(鹿児島県写真協会主催)が8月20日(土)、奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館で始まった。県内の写真家41人が、奄美群島の自然や文化などを捉えた作品、約270点が並ぶ。8月28日まで。入場無料。
初日は、奄美観光大使で同会会長の村上光明さん(65)と奄美在住の招待写真家、浜田太さん(68)、常田守さん(69)によるオープニングトークが行われた。3氏は、世界自然遺産登録に至るまでの経緯や秘話などを、自身のフィールドワークや制作活動を通して紹介した。
浜田さんは「作品『語りかけるアマミノクロウサギ』は無人撮影カメラでの一枚で、まるで彼らに奄美の森を大事にしてほしいと懇願されているかのよう。クロウサギがすむ環境の大切さを伝えることも重要であり、記念展では〝奄美の森の真実〟が伝わることを望む」と述べた。
常田さんは「世界自然遺産登録の意義は『遺伝子の保護』であり、われわれは種が生き延びる環境を守らなければならず、次世代に引き継いでこそ真の意味がある。子どもの教育を重点課題と捉え、後世に伝える手段としても、写真には言葉に勝る力がある」と訴えた。
村上さんは「次なる目標は文化遺産への登録。われわれは写真で訴えることが使命であり、生涯にわたり奄美の人と手を取り合い、達成できることを願う」と前を向く。
会場には、映像や特別な印画法「プラチナプリント」の作品なども展示。知人の作品を見に来たという龍郷町の飯田ルカさん(50)は「奄美に移り住んだばかり。写真に収められた豊かな自然や文化を実際に見たり、経験したりしてみたいと感じた」と話した。
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