伝統行事

大蛇が宙を舞う 知名町=大型野外芸能、2年ぶり奉納

 鹿児島県指定無形民俗文化財の上平川大蛇踊りが20日、知名町上平川(沖永良部島)の殿智神社で奉納された。約10メートルの3本のさおに大蛇をかたどった操り人形をつり下げて操作する大仕掛けの野外劇。地域住民らが見守る中、大蛇が空中を乱舞した。

 同神社は、本土や中国、琉球などの要素を取り入れた「大蛇踊り」を完成させ、300年余り前に上平川に伝えたとされる幸山政孝を祭り神としている。旧暦1、5、9月の各15日に例祭が営まれ、9月は特に盛大に行われる。2018年までは神社境内が手狭だったため、大蛇が登場する場面を省き、踊りの一部が奉納されていた。

 19年に神社の隣接地を造成して会場を拡充。同年から、大蛇の舞いも奉納されるようになった。20年は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止したため、2年ぶりの奉納となった。

 大蛇踊りは、劇仕立てで展開される。保存会メンバーによると、美しい女性に姿を変えていた大蛇が、正体を現し、空中で乱舞。僧侶や小僧たちが経をあげると、神の化身が現れ、大蛇を退治するというあらすじ。最後は、出演者全員で喜びの総踊りの輪を広げ、演舞に花を添える。

 20日は、午後5時40分ごろから踊りが始まり、約20分の圧巻の野外劇に見物客は拍手を送って喜んでいた。

 保存会の西村兼武会長(72)は「地域の宝である大蛇踊りを後世に引き継いでいくため、これからも毎年、奉納を続けていきたい」と話していた。

南海日日新聞〔写真〕上平川大蛇踊りの大蛇と神の化身が戦う場面=20日、知名町上平川

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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