自然

絶滅種、100年ぶりに確認 イラクサ科のホソバノキミズ

鹿児島大学総合研究博物館などの研究チームはこのほど、鹿児島県奄美大島でイラクサ科の小低木ホソバノキミズが生育しているのを確認したと発表した。国内では絶滅したと考えられていたが、同島で約100年ぶりに再発見された。研究チームは「生息個体数に関する正確な情報を収集し、再度『絶滅』と評価されぬよう注意していく必要がある」としている。

ホソバノキミズは中国や台湾、ネパールなどに広く分布。国内では沖縄島で1887年、奄美大島で1910年と24年に分布の記録があるが、その後は自生が確認されていなかった。環境省のレッドリストで絶滅種に位置付けられている。

研究チームは奄美大島で植物の調査をしていた今年10月、標高30メートルの常緑樹林内の沢沿いでホソバノキミズを発見した。樹高1.5メートル、葉の長さ5~7センチ、幅1.5~3センチ。幅3メートル、奥行き2メートルほどの範囲に数株の群落があったという。

枝を採集して分析した結果、葉の形や厚み、茎に剛毛が生えていることなど、形態の特徴から同種と確認。県自然環境保全協会の会誌「かごしまネイチャー」のオンライン版に11月3日付で論文を掲載した。

鹿大総合研究博物館の田金秀一郎特任助教は「思わぬ発見だった。奄美大島は固有種が多く、多様性が高い。調査すればまだ見つかっていない種が見つかる可能性が高い」と話した。

南海日日新聞〔写真〕奄美大島で再発見されたホソバノキミズ=10月24日、奄美大島(田金秀一郎氏撮影)

南海日日新聞〔写真〕奄美大島で再発見されたホソバノキミズ=10月24日、奄美大島(田金秀一郎氏撮影)

南海日日新聞〔写真〕ホソバノキミズの葉=10月24日、奄美大島(田金秀一郎氏撮影)


『南海日日新聞』LINEニュース配信中

その他のニュースはLINEでチェック!
南海日日新聞

友だち追加

南海日日新聞

投稿者の記事一覧

1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

■南海日日新聞:http://www.nankainn.com/

■Instagram:https://www.instagram.com/amami_news/

関連記事

  1. 幻想的、サンゴの一斉産卵 瀬戸内町手安沖=自然写真家の興さん撮影…
  2. 〝ウケングルメ〟に長蛇の列 宇検村=青年団がブランド食材PR、マ…
  3. 撮影:鳥飼久裕氏「アカショウビン」地面でえさを採ったのか、嘴が土で汚れていた。 奄美の鳥たちが元気になる季節の到来です!
  4. アマミノクロウサギ 保護・観光の両立を 大和村で施設整備へ
  5. 世界自然遺産切手セット 奄美大島・徳之島
  6. 有機農業の可能性探る オーガニックアイランド喜界島=シンポジウム…
  7. 「リュウキュウアユ」いたよ 宇検村・阿室小中学校=生き物の多様性…
  8. 児童が魚さばき教室 大和村名音小=漁船の乗船体験も、地元の海に親…

奄美群島マップ

奄美群島マップ

アーカイブ

あまみじかんリンク

南海日日新聞 奄美大島観光サイトしーまブログ あまみエフエム ディ!ウェイヴ! エフエムうけん NPO法人 エフエムせとうち76.8MHz エフエムたつごう78.9MHz あまみテレビ 天城町ユイの里テレビ ERABUサンサンテレビ
PAGE TOP