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空飛ぶ眼科医、徳之島と喜界で診療 鹿児島市の川畑さん

「空飛ぶ眼科医」として鹿児島県内離島を自家用機で巡り、診療を続けている川畑善之医師(53)は5月29日、徳之島と喜界島で臨時の巡回診療を行った。川畑医師が経営する川畑眼科医院(鹿児島市)を5年以内に受診した患者をボランティアで診て、コロナ禍で受診困難になっていた離島患者の不安解消に努めた。

同医院には奄美群島から手術や診療に訪れる患者も多い。「術後の経過観察ができないことが気掛かり」だったという川畑医師は2016年から、購入した小型機で巡回診療を始めた。天候不良による中止を除いて毎月1回、奄美の主要5島と種子島、屋久島を輪番で巡回診療している。

今回は、新型コロナウイルスの影響で受診が困難になった患者の不安を一日でも早く和らげようと、国の緊急事態宣言が解除されたことを受けて企画した。

徳之島では、島内の一角に臨時の診察場所を設け、予約した9人が受診した。川畑医師は術後の状態を確認し、患者に寄り添いながら患部の気になる点などを聞き取った。喜界島でも13人が受診した。

2年前に同医院で白内障の手術を受けた徳之島町母間の川畑祥子さん(76)は「島にいながら、手術してもらった先生に診てもらえるのは助かる。気になる症状の改善策も助言してもらい心強い」と話した。

同医院には連日100人以上の患者が来院する。今回は通常休診日の日曜日ではなく、平日に臨時診療を行ったため、医院での診療は川畑医師の妻で眼科医の佳子さん(50)を含む医師で分担して患者を受け持ったという。

川畑医師は「離島の患者が当院で受診するのは費用、時間の面で負担があり、今回はコロナ禍で患者が島外に出づらい背景もあった。患者が診療を望むのであれば、それに応えるのが医師。離島への巡回診療に送り出してくれた妻に感謝したい」と述べた。

南海日日新聞〔写真〕小型機を操縦して来島し、徳之島の患者を診察する川畑医師(右)=5月29日、徳之島

南海日日新聞〔写真〕小型機を操縦して来島し、徳之島の患者を診察する川畑医師(右)=5月29日、徳之島


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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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