うがみんしょーらん!ライターのとらおです。
皆さんは「よもぎ餅」と聞くとどんなものをイメージしますか?
一般的なよもぎ餅は、よもぎが練りこまれた丸い餅の中にあんこが入っていますよね。
しかし、奄美のよもぎ餅は「かしゃ餅」と呼ばれ、見た目も中身も全く違うんです。
かしゃ餅とはどのようなお菓子なのか?詳しくご紹介します!
かしゃ餅とは?3月3日の節句に食べられる行事食
かしゃ餅とは、あんこの無い筒形のよもぎ餅を葉っぱで包んだもの。
葉は月桃・クマタケラン・アオノクマタケランを用いますが、地域によって使う葉が異なります。
「かしゃ」はクマタケランの葉のことを指し、「フツィムチ(よもぎ餅)」「フチダク」「ふっつもち」「ふちもち」と呼ばれることもあります。
現在はお土産屋さんで1年を通して販売され、時期を問わず食べられていますが、元々は旧暦の3月3日(サンガツサンチ)の節句で食べられる行事食でした。
サンガツサンチには浜に下りて潮干狩りをしたりお弁当を広げて飲食したりします。その際に食べられるお菓子がかしゃ餅です。
奄美は多くの行事が旧暦で行われており、3月3日(サンガツサンチ)は新暦だと4月14日頃にあたります。
昔からよもぎには厄除けの力があると考えられていて、サンガツサンチにはかしゃ餅をご先祖にお供えし、親類におすそ分けをしていました。
かしゃ餅とよもぎ餅の違いは?かしゃ餅の作り方を紹介!
一般的なよもぎ餅はよもぎ、もち米、あんこが使われており緑のお餅の中にあんこがたっぷり入っていて、葉っぱには包まれていません。
一方、かしゃ餅はあんこの代わりに黒糖とさつまいもが使われており、餅が葉っぱに包まれています。
家庭やお店によって使われる材料・味に違いはありますが、その違いがまた面白いですよ。
餅を葉っぱで巻く理由は、葉に殺菌・防虫・防腐作用があるから。
月桃・クマタケラン・アオノクマタケランは全てショウガ科の植物に分類されるのですが、その葉からは独特の芳香が漂い香りも楽しませてくれます。
また、よもぎにはアトピー・貧血・便秘改善など、薬草としての効能が期待できます。
奄美の自然の恵みで作られたかしゃ餅は、美味しいだけでなく体にとっても良い効果があるんですね。
かしゃ餅は自宅で作ることができます。
レシピを紹介しますのでぜひチャレンジしてはいかがでしょうか?
・材料(4人分)
よもぎ 120g(かたくゆでて絞ったもの)
重曹 小さじ1
もち米粉 150g
黒砂糖(粉) 160g
さつまいも 100g
水 80~100cc
クマタケランの葉 5~6枚
・作り方
① よもぎはきれいに洗い、葉をちぎる。たっぷり湯を沸かし、重曹を入れてさっとゆでる。
② ゆで上がったら一晩水につけてさらし、アクを抜く(春のよもぎはアクが少ない)。
③ あく抜きしたよもぎをかたく絞る。
④ さつまいもはゆでて皮を剥き、つぶす。
⑤ スピードカッター(ミキサーなど)によもぎを入れてペースト状にする。
⑥ ⑤にさつまいもを入れてさらにペースト状にする。黒糖粉、もち米粉、水も入れて全ての材料をペースト状にする。
⑦ クマタケランの葉は、洗って20cmほどの長さに切っておく。
⑧ ⑥を食べやすい大きさに手で丸めて、クマタケランの葉で包む。
⑨ 湯気の立った蒸し器に入れ、約20分蒸す。
【レシピ参考】農林水産省 うちの郷土料理
お土産にもぴったり!いろいろなかしゃ餅
かしゃ餅はお土産屋さんでも売られており、さまざまなバリエーションがあります。
今回は大迫製菓さんともち兵衛さんの2種類を買って食べ比べてみました。
大迫製菓さんのかしゃ餅は香りが良く、わらび餅のように柔らかくつるんとした食感でした。
もち兵衛さんの製品はパッケージによもぎ餅と記載されていましたが、大迫製菓さんのかしゃ餅と見た目は同じもの。最初に紹介したように、呼び方が異なるだけです。
小ぶりで弾力があり、さつまいもが入っているのでその甘さもしっかり感じられました。
小豆も入っていたのですが、餅の真ん中にまとまっているのではなく、全体に練りこまれていましたよ。
どちらも気が付いたら何個も食べてしまう美味しさ!
皆さんも、自分好みのかしゃ餅を探してみてくださいね!