本場奄美大島紬協同組合(牧雅彦理事長)は、鹿児島県奄美群島14市町村・地区で行われた2022年成人式の大島紬着用率をまとめた。群島全体の着用率は19・0%(男性19・4%、女性18・5%)で、前回調査時(20年)を5・5ポイント下回った。奄美市笠利地区が88・6%(男性89・5%、女性88・0%)、龍郷町が70・6%(男性66・7%、女性73・7%)と、主産地の奄美大島北部を中心に同島で高い傾向となった。
調査は13年から紬協組が各市町村に依頼してまとめ、公表している。21年は新型コロナウイルスの影響で成人式が中止となったため、調査を行っていない。
今年の群島内の成人式は2~4日に行われ、出席者総数は922人(男性500人、女性422人)。このうち、紬着用者は175人(男性97人、女性78人)だった。紬着用率が前回調査を上回ったのは、奄美市笠利地区、同市住用地区、宇検村のみ。
「龍郷柄」「秋名バラ」発祥の地である龍郷町、男物紬の産地として知られる奄美市笠利地区の着用率は例年7割以上と高く、17年度に導入した紬購入助成制度の効果も反映されているとみられる。奄美大島に比べ、業者や織り技術者の少ない喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島は着用者が少ない傾向にある。
笠利地区は前回調査に比べて7・8ポイント増加しており、市紬観光課の担当者は「学生向けの着付け体験をはじめ、『紬の日』にちなんだ取り組みの一環で行った新しい着こなしの提案などで、成人式を迎える若い世代が大島紬に親しみを持つようになったのではないか」と分析。「笠利地区では子どもに成人式で紬を着せたいという親が他地区に比べ多いことも要因の一つと考えられる」と話した。
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