残しておきたい、思い出の場所はありますか?
生まれ育ったところですね。もちろん命が入れ替わっていくっていうのは仕方ないことですが、景色は残しておきたいですね。人間と自然が生きていくものですから形が変わることだってこの先あるとは思いますが、そこを知ってる人たちが残っているのでその魂が薄まらないように、自分の生まれ育った集落は無くなって欲しくないなって思います。
元ちとせさんが考える「奄美の自然の魅力」とは
「勝手にきれい」でしょ。別に何もしなくても。 勝手に剥げて、勝手にまた生き延びて。
自然が自然と話し合いをして大きくなって人間に教えてくれているっていう力強さが魅力。
それは小さい時から見てきたので、生きるってものの生命力の強さっていうのは、身近であるからこそ、そして島だからこそ見えるものであったり、感じられるものなのかなぁって思います。
奄美は「恩返しをする場所」、「守りたい場所」
入って来るな!という、守りたいではなくて、島に対する礼儀であったりとか、島がどういう所であるっていうのを入りたいなって思う人に丁寧に伝えることが、いま私ができる島を守る形なのかなとも思います。
もし、世界自然遺産に登録されると、観光客や移住者も増えてくる。
やっぱり自分が見てきた島ですから、「皆さんの気持ちは受け入れますけれども。もっとこういう所は大事にしてあげてくださいね。」とか。そういうことはもっと伝えていかないといけない部分なのかな。
音楽も私のフィルターを通して、大切にしないといけないこととか、何気ない幸せだったりすることを忘れないようにすることとか、私に触れたり私の音楽を受け取ってくれる人たちがそういうことを心地よく改めて感じられるような存在の歌い手でありたいとも思っています。
元ちとせさんにとって、“あまみじかん”とは
シマ唄の中に「シマ」っていう、自分の縄張りっていう“誇り”があって、知らぬ間に自分の中に生まれた魂が宿るー。考えさせられたり、ホッとさせられたり自分を見つめなおさせてもらったり、それがすごくギュってかたまっているコト(じかん)。面白くおかしくも、その人がきちんと見つめている言葉の中に、心が素直に宿っているんですよね。
2019.12.25 Release 元ちとせ アナログレコード
「元唄(はじめうた)幽玄~元ちとせ 奄美シマ唄 REMIX~」
2018年11月に発売された、元ちとせ自らの原点である奄美大島の「シマ唄」新録アルバム『元唄(はじめうた)~元ちとせ 奄美シマ唄集~』が、坂本龍一、坂本慎太郎をはじめとする国内外気鋭のアーティストたちのリミックスで新たな表情を見せる。半年に渡るマンスリー配信楽曲をコンプリートしたアナログレコードになる。
- タイトル:元唄 幽玄~元ちとせ奄美シマ唄REMIX~
- 発売日:2019年12月25日
- 価格:¥3500+(税)
- 品番:ATS-6
インタビュー/岩崎 全智(MBCニューズナウキャスター) 構成/入田 智子(MBC) 撮影/惠 大造(マチイロマガジン) ヘア&メイク/前田 真琴(HAIR&MAKEUP CELL) 協力/アーマイナープロジェクト