地元ダイビング事業者らで組織する瀬戸内町海を守る会(祝隆之会長)と日本自然保護協会は4月25日、鹿児島県奄美大島南部の大島海峡内でサンゴ礁の健康度を調査するリーフチェックを行った。海底がサンゴで覆われている割合を示す「サンゴ被度」は、浅場の水深3メートル地点、深場の同8メートル地点ともに70%以上で、「健康度がとても高い」と評価した。
調査地点は瀬戸内町管鈍沖の礁斜面。同会会員と専門家ら8人が参加し、サンゴ被度と魚類、無脊椎動物の数などを調べた。管鈍沖の調査は2020年11月に続き2回目。
サンゴ被度は水深3メートル地点で76・3%、同8メートル地点で70%。前回とほぼ変わらなかったという。魚類などの調査では、チョウチョウウオやブダイ、シャコガイ、ウツボを確認した。
日本自然保護協会保護教育部の安部真理子主任は「白化現象によるダメージも見られたが、大島海峡はサンゴ被度が高く、地形も変化に富んでいて生物多様性が豊か。調査を継続して、元気なサンゴを保全していくことが大切」と述べた。
奄美大島南部の海域では01年から05年にかけてオニヒトデが大量発生し、食害によってサンゴは壊滅的なダメージを受けた。守る会は01年から毎年、同町加計呂麻島の安脚場沖でリーフチェックを続けているほか、近年は同島の実久沖や管鈍沖でも調査を行っている。
調査に参加した守る会会員の栗原亮太さん(39)は「普段仕事をしている海の状況を見られるいい機会なので、定期的に調査に参加したい。ダイビング客と一緒にごみを拾ったりして、きれいな海を守っていきたい」と話した。
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