鹿児島県奄美大島・龍郷町の一般家庭で修学旅行生らを受け入れ、宿泊・体験サービスを提供する同町の教育民泊事業「かんもーれ!たつごう民泊」が13日に始まった。2022年度に実行委員会が発足し、24年度の本格始動に向けて準備を進めてきた事業。島外の高校生らに奄美大島や龍郷町の魅力をアピールした。
初実施となる今回は、大阪府立島本高校(竹田賢司校長)の生徒42人が13日から1泊2日の日程で龍郷町に滞在。11家庭でそれぞれ2~7人を受け入れた。
同校は今年度末で閉校が決まっており、最後の卒業生となる3年生が来島。11日に奄美入りし、12日までは奄美市笠利町に宿泊した。
13日は龍郷町りゅうがく館で「入町式」が行われ、実行委メンバーなどが大島紬姿で一行を出迎えた。竹田泰典町長は「奄美らしさを味わって楽しく過ごして」と歓迎。島本高校の竹田校長は「皆さんと交流を深めながらいい思い出をつくりたい」とあいさつした。
この後は同館と秋名コミュニティーセンターに分かれて郷土料理作り。正月料理の「三献」に挑戦した。生徒たちは地域住民らと一緒に食卓を囲み、地魚の吸い物やタコの刺身、ミキなど奄美ならではの食文化を味わった。
おかわりをしたという女子生徒(17)は「大阪とは味付けが違ったが、全部おいしかった。奄美の文化が身に染み良い経験になった」と笑顔を見せた。
調理を指導した町生活研究グループ連絡協議会代表の中村孝代さん(69)は「生徒たちが喜んで作ってくれたのでよかった。奄美の食文化を発信することができた」と話した。
生徒たちはこの日の夜、秋名集落と手広集落で八月踊りも体験し、地域住民らと交流を広げた。
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