鹿児島県徳之島のさまざまな文化や風習について学ぶ「徳之島のいろは・カムィヤキの森散策」が11月19日、伊仙町であった。親子連れなど約30人が国指定史跡の「カムィヤキ陶器窯跡」が残る同町のカムィヤキの森を散策し、窯跡などの史跡を巡った。
「徳之島のいろは」は、町歴史民俗資料館が主催する「地域の特色ある埋蔵文化財活用事業」の一環。さまざまなプログラムを実施しており、今年4回目。カムィヤキは11世紀から14世紀にかけて奄美・沖縄地域で日常的に使われていた土器で、カムィヤキの森には土器を作った窯跡が多数残っている。
参加者らは、ぬかるんだ斜面を、ロープを頼りに下って窯跡に到着。窯跡周辺に散らばるカムィヤキの破片や窯に使われていた石を確認した。他にも、当時の権力者である按司(あじ)の城跡である「ウービラグスク」、岩の表面に船の絵が描かれた「馬根の線刻画」などを巡って森に眠る史跡の魅力に触れた。
父親と一緒に参加した亀津小の児童は「山や生き物が好きなので参加してみた。カムィヤキの破片が山の中に普通に落ちているのに驚いた」と話し、「散策中にキノボリトカゲも見つけた。まだ見たことがないのでハブにもあいたい」と笑顔を見せた。
案内人を務めた同教委の與嶺友紀也学芸員(31)は「今回巡ったコースは新たに整備した箇所で、まだ研究が進んでいない史跡も多い。散策を通して史跡に触れることで、歴史の不思議さや謎に興味を持ってもらいたい」と話した。
『南海日日新聞』LINEニュース配信中
その他のニュースはLINEでチェック!