先日、大島北高校で、高校生による「島について語り合う北高インターンシップシンポジウム」が行われました。
「奄美らしさと私たちのこれから」をテーマに行われた今回のシンポジウム。
きっかけは、大島北高校の實川新之助さんが、いもーれ秋名で行ったインターンシップ・職業体験でした。半年間ものインターンシップの集大成として、同世代の高校生たちとこれからの奄美について語り合おうと、奄美高校や大島高校の生徒も参加して、開催されました。
(大島北高校 實川新之助さん)「奄美らしさが一番強く表れるのが”集落”。ただそこに人が集まっているだけでなく、文化や人のつながりが”奄美らしさ”、”特徴”と感じる」
(大島高校 要田ののかさん)「学校に行くとき、地域の人が気軽に声をかけてくれる。地域の子を自分の子どものように、接してくれるところに島の温かさを感じる。バス通学で高校に通うとき挨拶をするけど返してくれない、(同じ島なのに)違和感があった。地域の温かさを残してくのがいい」
(大島高校 隈元莉緒奈さん)「大勝に住んでいるときは、行事に参加する方ではなく、どちらかというと内気な性格だった。(同じ龍郷町の)秋名に引っ越して初めて奄美の文化の八月踊りを知り、踊りたいという気持ちをくすぐられてどんどん八月踊りの魅力にはまって、奄美に生まれてことを誇りに思うようになった。
「集落の家族のような温かさを外の人に知ってもらうには、自然や文化・食を知ってもらうことで奄美に足を運ぶ人が増えて、集落の温かさも伝わる」
(奄美高校 島田久人さん)「知らない人だけど、だからこそ初対面でも挨拶をする。その挨拶がコミュニケーションの第一。(その想いを)名瀬の人にも広めて、奄美の良さを発信できたらいい」
(奄美高校 池田蓮叶さん)「(島外の人も多く住む)自分の団地で、高齢者からは声をかけられコミュニケーションをとるが、若い人同士は言葉を交わせていないと感じる。若い人同士でもコミュニケーションが取れるか?ということを考えて発信していけたら」
(奄美高校 仁添千優さん)「高齢者の方々が奄美の方言をたくさん使っていて、これからつないでいく者として方言は奄美の文化の象徴、自分は奄美出身なんだという証明でもあるので、失くさないように方言を使って奄美を残していけたらいい」
(主催者:E`more秋名 村上祐希さん)「自身の住む集落の中で、コミュニティと伝統文化をどう継承したらいいかというヒントを見つけるために、(秋名の)あらば食堂に半年間インターンシップ(職場体験)に来てくれた、その体験したものを次のステージにつなげてもらいたい。(未来への)手土産として渡せるものはないか?と考えていた。その機会を實川くん自身で作って欲しい。
「経験した価値観や考えを共有する場や、同世代とつながってこの先共同していくきっかけ作りにできないかと考えて、シンポジウムを企画・開催した。これだけ島に島のことを考えて、それぞれに奄美らしさ、良さを感じていることを知り、頼もしく思ったし勉強になった。」
(大島北高校 實川新之助さん)「会を通して、これから地域をどうしていきたいか、どう考えているのか?ということは、なかなか深い話をすることがないのでいい機会になった。一番学んだことは、文化やコミュニティを残していくことにこだわるのではなく、”思い”、”心”を残していく、型にとらわれない心や思いを、未来につないでいくことが大切と学んだ。」
奄美では、「シマ」という言葉には、アイランドの意味の他に、集落のことをシマと呼んだりします。高校生たちの話にもあったように、同じ奄美大島でも、文化や風習など集落ごとに違いがあったりします。それぞれの「集落・シマ」のいいところを集め、認め合っていけば、奄美はもっと良くなる…と実感できたようです。