鹿児島県徳之島の中高生らでつくる「結シアター手舞」の島口(方言)ミュージカル「結―MUSUBI―」公演が20日、天城町防災センターであった。徳之島に遠島となった西郷隆盛と地元の青年・琉仲祐ら島民の交流を描いた物語をメンバーらが熱演。迫力あるダンスを交えたステージで観客を魅了した。
結シアター手舞は2015年秋の国民文化祭を機に結成。19年は奄美大島公演した。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で公演を中止したため、徳之島では18年以来3年ぶり。同日は昼夜2回の公演があり、昨年卒団したOB3人を含む50人が出演した。コロナ感染症対策で1公演当たりの来場者を150人に制限した。
出演者全員によるダンスで開幕し、物語は仲祐が京都で新選組の土方歳三と遭遇する場面からスタートした。隆盛を師と慕った仲祐との親交を軸に、隆盛の妻・愛加那が2人の子どもを連れて奄美大島から来島したエピソードや、闘牛など伝統文化のシーンを織り交ぜ、メンバーらが琉球舞踊をベースにした躍動感あふれるダンスを披露。バンドチームによる生バンド演奏で舞台を盛り上げた。
昼公演で仲祐役を務めた永井拳翔さん(18)は「新型コロナの影響でみなさんが大変な日々を過ごしている中、3年ぶりに徳之島で公演でき勇気を届けられたと思う。中高生の期間に、結シアターの活動に取り組めたことは誇り」と笑顔を見せた。
結シアター手舞の活動に感銘を受け、19年に在住する南大隅町で地域おこし団体「南蛮フラッグ」を立ち上げた小嵜万見子さん(33)も来場。「結シアターには子どもたちが自分たちの町に誇りを持ち、後輩を育てながら歴史や魅力を体いっぱい表現できる仕組みがあることが素晴らしい。結シアターを参考に、地元を愛する子どもたちの育成に努めたい」と話した。
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