ヒト

島の人が誇りに思えるように。 「あまみカメラ」が映す島の絶景


奄美大島をドローンで撮影した映像を掲載しているYouTubeチャンネル「あまみカメラ」。
2020年5月時点で120本以上の、空から見た美しい映像が掲載されている。
あまみカメラは2016年7月に坂元秀行さんによって始められた。はじめは一般の人がスマートフォンなどで撮影した写真を集めて写真投稿サイトをつくる予定だったが、同時期に購入したドローン映像を「もっとたくさんの人に見てほしい」と思い方針を変更。
初めてドローン撮影をしたときは衝撃だった。
「申し訳ない気持ちになったんです。いつも見ている海岸がまったく違う景色に見えた。海のグラデーションも住んでいる街の様子も。特別な場所なんだと感じ、ここに暮らしていることを当たり前と思ってきたことを申し訳なく感じた。もっと多くの人に伝えたいと思った。」
それから奄美大島のさまざまな場所をドローンで撮影し、編集してYouTubeに掲載している。

少しずつ活動は広がり、最近ではテレビ制作に関わることも多い。朝崎郁恵さん、平田輝さんといった奄美大島アーティストとコラボして作品づくりをしたり、島の企業の取り組みのプロモーションに携わったりすることもある。
ドローンの総飛行時間は300時間以上。もう何も考えずにドローンを動かせるほどだ。
ドローンは固定カメラとは違ったおもしろさがあると言う。今まで見られなかった視点で風景を見ることができるし、テクニックが上がればより迫力のある映像が撮れる。最近では、森の中で木々の間を通り抜けていくのが楽しい。
YouTubeの動画も、風景を映すだけではなくなってきた。たとえば「Run Amami」という作品では、奄美大島でランニングする人の様子をドローンで追って制作した。

最近投稿した「Vital Energy」を撮影したのは、ちょうど新型コロナウィルスが海外で流行りだし、アメリカのロックダウンが始まった頃だった。日本もこれからの生活がどうなるのか、人々が不安を感じ出したときだ。
そんな中、島の新緑の鮮やかさや渡り鳥の声を聞くと、「それでも、自然はくり返していくんだな。」と感じ、抱いていた不安感が少し和らいだ気がした。自分が感じたことを制限の多い中で暮らしているたちにも伝えたいと思い、奄美の自然のサイクルに焦点を当てて映像を制作。海外の人にも伝わるように、翻訳家の木下裕正氏にも協力を要請、英語のテロップも付けた。
今までは自分が楽しくてドローンの撮影をしていたが、最近は動画を通して伝えたいメッセージや思いが出てきた。「今後も奄美関連アーティストとのプロジェクトに取り組んだりして、この活動を続けていきたい。その一方で、新しい動画プラットフォームとのパートナーシップなどを模索して、世界規模で奄美大島の魅力を発信していきたい」と坂元さんは話す。

「奄美大島は日本人の宝です。島外の人には、奄美大島に興味を持ってもらい、現地で体感してもらえたら嬉しい。そして島に暮らす人、島出身の人たちには、自分たちの島をもっと誇りに思ってもらえるような映像を発信していきたい。」

奄美大島の美しさが詰まったYouTubeチャンネル「あまみカメラ」。ぜひ一度ご覧あれ。

㈱しーま 編集部ライター 田中良洋

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兵庫県出身。東京で6年間働くが、都会に疲れて2017年1月に奄美大島に移住。島ではWebライター、映像制作、ドローン撮影、マリンショップのスタッフ、予備校スタッフなど様々な仕事をしている。島生活のことを綴ったブログ「離島ぐらし」を運営中。

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